家族の風景

僕は妻の他に3人の家族がいる。

 

彼らは僕たちの日常に潤いと安らぎ、そしてちょっとした笑いを与えてくれる。

今日はそんな素敵な僕達の家族を紹介していきたいと思う。

 

・みどりくん
妻が同居してすぐの頃に買ってきた観葉植物。
長い間正式な品種が判明せず、名前が無かったため、僕が命名。
名前の理由は、「なんか緑色だから」。
僕のネーミングセンスに妻が驚愕した。
水を遣る際に、「みどりさん、マジかっこいい体してますよね。新芽、出してもらっていいすか?」と、部活の後輩風に声掛けしていたら、1年間で加速的な成長を見せ、優に3倍を超える大きさになった。
我が家の窓際を占領するイカしたグリーンボーイ。

 

ゆとりちゃん
京都の清水五条の陶器祭りに行った際、なぜか買ってしまったジャンボこけし
購入した理由は「なんか呼ばれた気がしたから」。
待ち合わせ場所に、こけしを持って現れた僕に妻が驚愕した。
現在は寝室の箪笥の上に常駐し、僕達の夜の営みを監視し続けている。
顔に縦に走る傷を持つことから、前のある「オンナ」であることが窺える。
名前の由来は、本体の裏側に「平成元年製造」と書かれていたことから。
時々抱きしめて口づけをしてあげると、ほんのり彼女の頬が赤くなる気がするんだ。
僕は早く病院に行った方が良いのかもしれない。

 

・かぴのすけ
妻が大学時代から連れ添ってきたカピバラさんのぬいぐるみ。
僕のライバル。
夜毎に妻の寝具に忍びこむと、そこには必ず奴がいる。
負けじと妻に情熱的なペッティングを施す僕を、どこか憐憫の目で見つめてくる。
過熱するペッティング、高まる妻、始まる行為、だけど奴は目をそらさない。
興奮した妻は叫ぶ。
「かぴのすけ!私をメチャクチャにして!!!」
僕は自覚する。
所詮、自分は肉人形に過ぎないということを・・・

 

家族っていいよね。

 


ハナレグミ 家族の風景